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もう、だいじょうぶよ・・

もう、大丈夫よ ピース観音

 

ピース観音様の「もう、だいじょうぶよ!!」という言葉に、ハッピーは、何度・何度も励まされ『本当の自分』をとりもどし、生まれ変わることができました。


ハッピーちゃん・・

勇気をだして、よくここまで来てくれたわね。


もう、だいじょうぶよ。
さぁ~、あたたかいミルクを飲んでね。

 

ピース観音が両手でさしだしてくれたカップからは、甘い香りとやさしい湯気がたちあがっていました。

 

カップを口にした瞬間「あたたかくて、おいしい~~」と思わずつぶやいていたハッピーは、ほっとしたのか涙があふれてきました。

 

ピース観音が用意してくれたピンクの毛布は、ふかふかであたたくて、やさしい香りがしました。

 

ピンクの毛布に包まれたハッピーは、ひさしぶりに『こころ』と『からだ』の緊張がほぐれ、ゆっくり眠ることができました。

 

しばらくの間、ただただ静かに・・・・・
『こころ』と『からだ』を休ませることができたハッピーは、温かいものに触れて少しづつ元気になってきました。

 

ところが・・

元気になるにつれピース観音に反抗的な態度をとるようになり、なぜか素直になれないハッピーなのでした。

 

それどころか・・

『こころ』の奥に封じこめてきた『こわくて・辛くて・苦しくて・悲しくて・寂しくて・不安で・痛かった』感情が、ものすごい勢いであふれ出てきてしまったのでした。

 

自分でも抑えられない激しい感情が、あばれたり、わめいたり、反抗したりして「こんなにもつらかったんだよ~、わかってよ~~」と言わんばかり、ピース観音にあたりちらすようになりました。

 

それはまるで、こんな自分でも自分のことをすべて受けとめてくれる人なのか、本当に自分のことをわかってくれる人なのか、本当に信じることができる人なのか、やさしいピース観音を試すかのように、ハッピーの『トゲトゲのこころ』は『無意識』のうちにピース観音に甘えて悪さをし続けました。

 

そんなハッピーの『こころの痛みをピース観音はよくわかっていたので、ただ、よりそって・よりそって・・黙って受けとめました。

 

ときにはそお~っと『道しるべ』になることを指し示しながら『こころ』の傷が癒され『こころ』の『扉』がゆっくり開くのを静かに見守っていました。


こうやって『こころ』の奥に封じこめてきた『ドロドロ』した感情を『怒り』や『憎しみ』や『恨み』というかたちで吐き出してきたハッピーは、あることに気づくようになりました

 

それは・・

こうやって、あばれたり、怒ったり、憎んだり、恨んだりしても『こころ』の奥に封じこめてきた『こわくて・辛くて・苦しくて・悲しくて・寂しくて・不安で・痛かった』感情の『重石(おもし)』を取り除くことはできないということでした。

 

それどころか、自分の『トゲトゲのこころ』が、まわりにいる人たちまで『トゲトゲのこころ』にしてしまうことが前よりずっとよくわかるようになりました。

 

このままでは、今までの自分と少しも変わらず、自分がいるだけでまわりの人を苦しめてしまうことが悲しく辛くなってきました。

 

こんな自分をなんとかしたいと思ったハッピーは、やっとピース観音に自分の話をきいてもらいたいと思うようになりました。

 

かたく鍵をかけてきた『こころ』の『扉』をおそるおそる開けると、つらかった『過去』の記憶がよみがえり、おさえつけてきた涙がとめどなく流れ・・

 

せきをきったかのように自分がされたことやしてきたことなどがあふれだし、すべてをピース観音に聞いてもらうことができました。

 

冷えて凍えた『こころ』がピース観音の温かいやさしさに触れて溶けてきたのでした。

 

辛かった『過去』を話すたびに痛かったこころの『重石』ひとつずつピース観音に手渡すことができました。

 

すると・・

こころの『重石』は、ピース観音の手のひらで『キラキラ光るシャボン玉』に変わりました。

 

シャボン玉は、小さな虹の玉になってフワフワと消えていきました。

 

ひとつ・またひとつと消えていくたびに、ハッピーの『こころ』は明るく軽くなっていきました。

 

そんなハッピーをピース観音が、そおっと、ぎゅぎゅっと抱きしめると・・

 

元気になったハッピー ピース観音

 

ハッピーのあたまの上に小さなお花が咲きました。


『ありのまま』のどんな姿の自分でも、ただ、受けいれ愛してくれたピース観音の温かい愛に触れたハッピーは「自分はここにいて、生きていていい!!」「自分はこのままでも愛される!!」ということを実感することができたのでした。

 

そして・・

いつも、ピース観音が、ただそおっと見守っていてくれたおかげで、自分のことを自分で『気づく』ことができる『光明』をいただいていたのでした。

 

自分で『気づく』ことでしか『変わることができない』ことをピース観音から身をもって学んだハッピーなのでした。

 

こうして・・

『本当の自分』をとりもどし、生まれ変わることができたハッピーには『夢』も芽生えていました。

 

その『夢』は、ピース観音のように温かい愛を人にあたえられるようになりたいという『夢』です。


何度も何度もくじけそうになり、自分を投げ出しそうになったハッピーでしたが、そのたびに、ピース観音は「もう、だいじょうぶよ!!」とやさしくささやき、背中をそおっとなでてくれました。

 

ピース観音の「もう、だいじょうぶよ!!」という言葉の『温もり』とこの人を『信頼したい』という気持ちに、何度も何度も励まされ『本当の自分』をとりもどすことができたのでした。

 

ピース観音の「もう、だいじょうぶよ!!」という言葉は、ハッピーだけでなく、どんな人も励ます『魔法の力』がありました。

 

さて、どんな魔法がこめられていたのでしょう・・

 

それは・・

 

それはね・・

 

「あなたのことを信じています☆だいじょうぶよ♡」という『言霊』がこめられていたのでした。

 

そして・・

ピース観音にこうして励まされた人たちは、自分自身に向って「自分のことを信じている☆きっと、だいじょうぶ♡」と自分で自分を励ますことができるようになっていったのでした。