あたりをみまわしてみてごらん・・
「助けて欲しい!!」と声をあげてごらん・・
きっと、なにかが誰かが、きみを助けてくれるから・・。
「だいじょうぶ!! ひとりじゃないよ」そのことを『信じる力』が、きみを助けてくれるよ☆。
ラオリーとお母さんが、お話ししています。
ねぇ、この人、鳥とお話ししているの?
手に持っているスーパーの袋は、この人によりそっているようにみえるね。
・・とラオリーがお母さんに言いました。
そうね・・そんな風に見えるわね。
実は、この人ね。
家で寝たきりのお母さんがいてね。
自分もあまり体がじょうぶではないのよ。
お母さんのお世話をしながら仕事をさがしているのだけど、思うような仕事が見つからなくて、途方にくれて歩いていると・・
そこに、鳥がやってきて話しかけられているところなのよ。
ふ~ん、そうなんだ~・・とラオリー。
お母さんは、この人のことをさらに続けてお話しました。
この人には、ずっとなりたかった『夢』があったのよ。
体が弱かったから、家で本を読んだり文章を書いたりして過ごしているうちに、将来は、小説家になりたいと思うようになったのよ。でも、お母さんが病気になってしまい家計を支えるために仕事を見つけなければならなくなってしまったのよ。
お母さんのお世話をしながらできる仕事は、おもうように見つからず「あ~、ぼくは何のために生まれてきたのだろう?『夢』をもつことさえ許されず、苦労を背負うために生まれてきたのか・・」と、すっかり生きる『希望』もなくしてしまったのよ。
それで、公園の中をとぼとぼ・とぼとぼ、ただただ、歩くしかなく『絶望感』と『むなしさ』で『命の灯火(ともしび)』が消えそうになっていたのよ。
ここから先は、この青年のお話よ。
場面は、最初の絵にもどります。
この先、どうしたらいいのかもわからず『絶望』にうなだれて歩いていると、いきなり鳥がやってきてチュンチュン鳴くので思わず足をとめみると・・
風の中を途方に暮れて長いこと歩いていたせいか、体はずいぶんと冷えていた。けれども、寒い感覚はなかった。
目の前にやってきた鳥のおかげで、一瞬、我にかえったからか「あ~寒い・・・」と自分の体が冷えきっていることに気づいた。
カサカサと音をたてているビニール袋を思わず胸元にかかえると、なんだかとても温かくて涙がこぼれそうになった。
鳥は、しきりにチュンチュン鳴いている。
鳥の目を見ると「何もかもひとりで背負い込まないでさ、神様におまかせすれば、だいじょうぶだよ!! もっと、気を楽に持てば、すべて、うまくいくよ!!」と言っているように見えた。
わらにもすがるおもいだったぼくにとっては「えっ?・・神様におまかせしたら、本当に助けてくれるのかい?」と、なぜだか素直にそう思えたのだった。
すると、もう鳥はどこかにいなくなっていた。
けれど、どうやって助けてくれるというのだ?何をしたらいいんだ?
そんなことを考えながら、またとぼとぼと歩いていると、アルバイト募集のビラが目にとびこんできた。
お~~~、こんなことってあるのだろうか?今まで、ずっと仕事を探してきたけど、こんなに条件がよくて、しかも前からしてみたかった出版社の仕事がこんなに簡単にすぐみつかるとは・・。
「神様におまかせすれば、だいじょうぶだよ!!」って、神様に「助けてほしい!!」と言うことだったのか、なんだか、とても不思議な感じがする。
とにかく面接に行ってみよう!! そう思えた瞬間『命の灯火』に『光』がともった。
こうなったいじょう、もう、すべて神様におまかせしてみよう!!。
早速、出版社に行って、自分には、病気の母親がいて、なんとしても仕事につきたいことと、将来は小説家になる『夢』があることを必死なおもいで『正直』に伝えた。
すると、熱意が伝わったのかすぐにアルバイトが採用になった。
鳥の言葉を信じることしかできなかった自分に『奇跡』が起きたのだ。
出版社の仕事はとても楽しかった。けれど仕事は思った以上にハードで母親の世話と仕事を両立させることは至難の業だった。
このままでは、お母さんも自分もダメになってしまう。やっぱり、この世は思いどおりにいかないものなんだ。いつだって、ぼくはこんなふうに『チャンス』から見放されてしまうんだ。
せっかくともった『命の灯火』の『光』は、みるみる小さくなり『こころ』はかたく冷えていった。
でも、ぼくは、お母さんの世話をするために生まれてきたんじゃない!!。
くやしい・くやしい・くやしい・・・・と強い怒りがこみあげてきた。
イヤだ・イヤだ・イヤだ・・・・せっかく出版社で働きだしたのに、こんなにいい『チャンス』を逃すのは絶対にイヤだ。
泣くのは悔しかった。けど、思わず涙が頬をつたった。ぼくはどうしてこんなに弱いんだ・・・。
すると「お母さんの世話はきみでなくてもできるよ。でも、きみの小説はきみでなければ書けないでしょ・・ここで小説家になることをあきらめて『本当の自分』を生きないでいたら、この先、無念な気持ちをかかえたまま、自分の『夢』を邪魔したのは、お母さんだと思い込み、お母さんのことを『こころ』の奥底でずっと恨むようになってしまうよ」と鳥がチュンチュン言っている風景が、なぜか『あたま』に浮かんできたんだ。
でも、お母さんの世話を誰かにまかせたら、お母さんはぼくに見捨てられたと思い込んで悲しむかもしれない。そんな『罪悪感』にさいなまれるようなことできっこないよ。
いやいや、それ以前に、お母さんの世話をお願いするだけのお金がないよ。
どうしたらいいんだ・・
どうしたらいいんだ・・
どうしたらいいんだ・・
『くやしい気持ち』と『絶望感』が入り混じったぐしゃぐしゃな気持ちを抱えたまま、じっとしていることはできなかった。
とにかく、なんとか『こころ』を整理しようと公園を歩いていると、あたかも、ぼくのことを待ち受けていたかのように、枯葉の上に栗が落ちていた。
「ねぇ・ねぇ・・どうちたの?」と、おとぼけ顔した栗がつぶやいてきた。
栗を手に取ると、目や口のように見えていたのは、虫に食われた穴であることがわかった。
こんなに虫に食われているのに、おまえはなんだかとても陽気だなぁ~、おまえのその陽気さをわけてもらいたいもんだ・・とつぶやいている自分に気づき、思わず『プッ!!』とふきだし笑ってしまった。
虫に食われた姿でも、ちっともみすぼらしく見えなかった。
それどころか、自分の傷やかっこ悪さを受けいれて『おとぼけ』にしている姿が堂々としていて誇らしくさえ見えた。
おまえは強いなぁ~・・えらいなぁ~・・自分の弱点を『チャームポイント』にできてしまうんだから、ぼくも強くなりたいよ。
もし、ぼくが栗でこんな姿になってしまったら『絶望』して、人目につかないようにひっそり『みじめ』に生きるか、死にたくなってしまうか・・のどちらかだろう・・。
それなのに、栗の方がずっと潔く強く生きているじゃないか・・どうして、ぼくはこんなに弱いんだ。すぐに『悲観的』にものごとをとらえ『絶望感』にひたってしまう。
どうして、栗みたいに強く生きられないのだろうか?・・しばらく考えこんでしまった。
もしかしたら・・と、思い浮かんだのは・・
幼いころから病弱でしたいことができず、たくさんのことをあきらめざるをえなかったから、そんなかわいそうな自分を守るために、すぐにあきらめる『癖』をつけ「どうせ・・」という言葉をいつも『無意識』のうちにつぶやいては、ものごとを『悲観的』にとらえる『癖』がついてしまったのかもしれない。
でも、栗は、陽気で明るい性格だから、きっと強くいられるんだ!!。
ぼくもそうなりたいよ!!。
どうしたら、栗みたいに強くなれるんだろう・・よく考えてごらん・・と、自分に言い聞かせてみた。
今はもう、力がなく弱い子どもとは違うではないか、今の自分になにができるかを考えて思いつくことをしてみたら、きっとなにかが変わるかもしれない・・。
そうだよ・・すぐに、あきらめたり『希望』をなくす必要なんてないんだよ。きっと、なにかが変わるはずだよ!!。
そんなふうに思えたら、暗い気持ちで『絶望的』になっている自分がアホらしく思えてきた。
ぼくひとりではどうすることもできないことは、そうだよ、神様がなんとかしてくださるはずだよ!!。もう、自分ひとりで抱え込むのはやめにしよう!!。
それに、お母さんのことで『罪悪感』をもってばかりいたら、一歩も前に進むことはできないよ。
もう、潔く神様におまかせして、助けてもらおう!!。
自分にとってもお母さんにとっても『最善の方法』がきっとあるはずだ!!。神様ならなんとかしてくださるよ・・。
そう思えたら、いても立ってもいられなくなり、お母さんの世話をしてくれる施設を探すために公共の相談窓口に行っていた。
『命の灯火』に、ふたたび『光』がともった。
すると、程なく出版社の近くに病気のお年寄りをみてくれる施設があることがわかった。しかも、公共の相談員の方がとても親身に経済的なことも相談にのってくれた。
おかげで、お母さんはその施設に入ることができ、施設での暮らしを楽しむことができるようになった。
安心して、まかせられる施設が見つかったことで『こころ』は軽くなり、出版社の仕事はどんどん楽しくなり毎日がとても充実してきた。
それに、仕事にも慣れてきたおかげで、あいた時間に小説も書くことができるようになり、病弱で弱虫だった自分が、こんなにも強くなれたことを『物語』にして、同じような境遇にいる人の力になるものを書きたいと思うようになると、自分でも信じられないくらい『からだ』もじょうぶになってきた。
あの時の『ピンチ』は、ぼくにとってはむしろ、最高の『チャンス&ギフト』だったんだ。
鳥やビニール袋や栗に助けられたことを思うと「自分はひとりじゃない、だいじょうぶ!!」とますます強く思えるようになってきた。
お母さんをたいせつにおもう気持ちは、前よりずっと『素直』にわきあがるようになり、お母さんの好物のおまんじゅうを一緒に食べながら、小説の話しをきいてもらうひとときが一番、癒され『しあわせ』を感じ、仕事の励みにもなった。
「小説家になって、お母さんをもっとよろこばせたい!!」という『夢』が『命の灯火』の『光』をどんどん・どんどん大きくしていった。
お母さんも施設に入る前は、自分の病気のせいで息子に『夢』をあきらめさせていることにずっと『こころ』を痛めてきた。
けれど、施設に入り、こころ穏やかに過ごすことができるようになると、病気はウソのようによくなり、今では、起き上がって大好きな手芸を仲良しのおばあちゃんたちと楽しめるようにもなってきた。
お母さんにとっては、息子が『夢』に向かって毎日を輝かしく生きてる姿を見せてくれることが、なによりの『親孝行』であり、こんな『しあわせ』を感じられることが『元気のもと』になっていた。
どうか、息子が小説家になれますように・・どうか、可愛いお嫁さんとしあわせな家庭を築けますように・・とお母さんは毎日、祈っています。
『困ったときの神頼み!!』を信じることができた親孝行な息子と息子の『しあわせ』を一心に祈る母親の願いは、きっと、神様がかなえてくれることでしょう。
すべてがうまくまわりだしたね。
それに、この青年もお母さんも、生まれ変わったみたいに元気になってよかったね・・とラオリーが言うと。
そうね『命の灯火』の『光』が何度か消えそうになったけど、いつもなにかに助けられていたわよね。
鳥やビニール袋や栗が元気づけてくれたり、温めてくれたり、気を楽にしてくれたり、背中を押してくれたりして『本当の自分』を生きるようにしてくれていたわよね。
それにしても、こんな『とるにたらないもの』と思ってしまいそうなものたちが、青年を『力づけ』ていたとは驚いてしまうわよね。
けれど、鳥もビニール袋も栗もみんな神様から『魂』=『こころ』をいただいていて・・
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鳥さんには、きれいな声で鳴いて、人を癒したり励ます『よろこび』
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おとぼけ栗ちゃんには、陽気にいることでみんなを元気づける『よろこび』
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ビニール袋さんには、持つ人のお役に立つ『よろこび』
どれも、神様から『よろこび』をもらえる『仕事』が授けられていて、ときには、彼らが神様からの『メッセージ』も届けてくれているのよ。
この世に存在する『魂』は、どれも必要な尊いものばかりで、すべてのものは、神様が授けてくれた『仕事』を精一杯して『存在』しているだけで『お互いさまのおかげさまのありがとう』のつながりのなかで生かされあっているのよ。
あたりをみまわしてごらん・・ラオリーを助けてくれるものが、近くにあふれているから・・☆。
それは、太陽や月や星かもしれないし、お花やひとひらの葉っぱかもしれないし、偶然、目にしたチラシかもしれないし、ラジオから流れてきた音楽かもしれないし、偶然見つけた本のページのなかの言葉かもしれないし、通りすがりの人のふるまいだったりするかもしれない。
こうやって、神様はラオリーの近くにあるものや人をとおして絶え間なく必要な『メッセージ』と『助け』を届けてくださっているのよ。
こんな神様からの『メッセージ』と『助け』を受け取るためには、自分の『本当の気持ち』に正直にあることがたいせつなのよ!!。
あとは、どんな『状況』にあってもどんな『環境』にいても、まずはそれを受けいれて、自分は何をしたらいいかをよく考えてみてね。
『こころ』の声に耳をかたむけていたら、そのこたえは、かならずみつかるはずよ。
そしたら、その声にしたがってあげてね☆。
誰にだって、何もかもうまくいかなくて『自暴自棄』になってしまったり、自分ひとりではかかえきれない問題に身動きがとれなくなってしまったり、押しつぶされそうになってしまったりすることは、あるものだよね。
また『こころ』の傷を癒すことも『こころ』にあいた穴を埋めることもできず、自分の『居場所』を失ってしまったり『絶望的』になって自分の『からだ』や『こころ』を傷つけたり『命』をないがしろにしそうになってしまうことだってあるものだよね。
でも、こんなときは「何もかもひとりで背負い込まないでさ・・神様におまかせすれば、だいじょうぶだよ!!。もっと、気を楽に持てば、すべて、うまくいくよ!!」の鳥の『メッセージ』を思い出してみてね。
『困ったときの神頼み!!』を信じることさえできれば、だいじょうぶだから・・。
お母さんのように、温かくよりそい抱きしめてくれるものや人が・・
お父さんのように、やさしく励まし助け守ってくれるものや人が・・
きっと、きみを助けてくれるから☆。
それと・・
- 小さい頃、なりたかったものはなに?
- 楽しいと思えることはなに?
- 得意だと思えることはなに?
自分の『夢』や『希望』や『よろこび』になるものを思い出してみてごらん。
それが『命の灯火』を消さないでいさせてくれる『光』になるから・・。
だいじょうぶ!! ひとりじゃないよ・・☆。
『夢』や『希望』をあきらめないで!!。
神様を・・
自分を・・
人を・・
信じてね☆。